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液体水素

Nov 04, 2023Nov 04, 2023

トヨタ自動車は、5月26日から28日まで開催されるENEOSスーパー耐久シリーズ2023第2戦NAPAC富士SUPER TEC 24時間レースに、液体水素を燃料とする#32 ORC ROOKIE GR カローラH2コンセプト(水素燃料カローラ)で参戦する。 (以前の投稿です。) 液体水素燃料を使用して車両がレースに出場するのは世界初です。

液体水素を燃料とするカローラは、3月18日、19日に開催される第1戦鈴鹿スーパー耐久5時間レースに初出場する予定であったが、3月8日に富士スピードウェイで行われたプライベートテスト走行中に車両火災が発生した。エンジンルーム内のガス状水素配管からの水素漏れ。 車両の回収が間に合わなかったため、トヨタはレースを断念せざるを得なくなった。 (以前の投稿。)

鈴鹿を欠場してから2カ月が経過し、車両火災の原因となった水素配管の設計は安全を最優先に変更された。 変更内容としては、(1)水素配管を高温の場所から遠ざけること、(2)水素配管の接続部に緩みを防止し、漏洩時に水素をキャッチして検出器に導くための安全カバーを設置することなどが挙げられる。

トヨタは過去2カ月で車両重量を50キロ以上軽量化することにも成功し、2021年5月に水素ガス燃料を使って初出場した際の水素エンジン搭載カローラのラップタイムを上回った。

水素エンジンを搭載した「カローラ」に使用されている液体水素の一部は、川崎重工業株式会社(KHI)が建造した液体水素運搬船「すいそフロンティア」により、2022年2月にオーストラリアから製造・輸送された褐炭由来水素です。 HySTRAプロジェクト。

サーキットで使用される移動式液体水素ステーションは、岩谷産業とトヨタ自動車が共同開発したもの。 液体水素を燃料として使用することで、これまで圧縮気体水素を製造するために必要であった、水素を冷却するためのコンプレッサーやプレクーラーなどの設備が不要になります。 これにより、ステーション設置面積はガス状水素ステーションに比べて4分の1となり、ガソリン車と同様にピットエリアでの燃料充填が可能となります。 また、充填時に加圧する必要がなくなるため、複数の車両に連続して充填することができます。

気体水素から液体水素への変更に伴い、車両の燃料供給システムも液体水素システムに変更されました。 ただし、エンジン自体は水素ガスで走行していたときと同じエンジンです。

燃料を液体水素に変更することで体積あたりのエネルギー密度が高まるため、従来と同じ充填時間約1.5分で航続距離が2倍に伸びました。 トヨタは、年間を通じてエンジン性能、航続距離、充填時間のさらなる向上に努めてまいります。

ただし、液体水素は充填および保管中、-253 °C 未満の温度に保つ必要があります。 そのため、低温環境下でも機能する燃料ポンプ技術の開発、タンクからの水素の自然蒸発防止、車載用水素タンクの規制など、特有の課題が生じています。 トヨタは今後も、水素の製造、輸送、利用の分野でパートナーの協力を得ながら、これらの課題の克服に取り組んでいきます。

気体水素と液体水素にはそれぞれ独自の利点と課題があり、気体水素にはシステム構成がより単純であるという利点があります。 トヨタは今後も、燃料供給の選択肢を増やし、それぞれの特性を最大限に活かすため、気体水素と液体水素の開発に注力していきます。

トヨタは、多くのパートナーの協力を得て、今年の富士24時間レースに液体水素を燃料とするカローラで参戦することができました。 トヨタは、今後も、「もっといいクルマづくり」に向けて、エンジンの軽量化や液体水素システムの小型化技術について、京都大学、東京大学、早稲田大学と共同研究を進めていきます。

投稿日: 2023 年 5 月 28 日: エンジン, 水素, 水素貯蔵, 市場の背景, モータースポーツ | パーマリンク | コメント (8)